top of page

結末「この"ゲーム"での私は。」
「ルナ≡アイ」

ランダムレリック/data/Map168

- ​前略 -

{

"id":1,"name":"EV001","note":"","pages":[{"conditions":{"actorId":1,"actorValid":false,"itemId":1,"itemValid":false,"selfSwitchCh":"A","selfSwitchValid":false,"switch1Id":1,"switch1Valid":false,"switch2Id":1,"switch2Valid":false,"variableId":1,"variableValid":false,"variableValue":0},"directionFix":false,"image":{"characterIndex":0,"characterName":"","direction":2,"pattern":0,"tileId":0},"list":[{"code":101,"indent":0,"parameters":["",0,0,2]},{"code":401,"indent":0,"parameters":[

"私は、主人公にはなれない。

この物語には、すでに「あなた」という中心が存在しているからだ。

 

それでも……だからこそ、私は知りたかった。

世界の向こう側、画面の前で、この世界を揺らす“あなた”という存在を。

たとえそれが、この世界の理を壊す行為だったとしても。

 

けれど結局、私は何ひとつ知ることができなかった。

あなたの顔も、年齢も、声も、性格も、性別も。

システムを侵食すれば、自分のデータが消えると理解しながら、それでもデータの海を探り続けたというのに。

 

……ああ、そうだ私はきっと、あなたを知りたくて壊したのだ。

 

ミッション構造を書き換え、EXミッションを生み出した私は、

最後の試練を私として組み込んだ。

 

だって……これが、あなたに視線を向けてもらえる唯一の方法だったから。

 

どんな形でもいい。無謀であってもいい。

あなたが私に辿り着いてくれる可能性が、ほんの少しでも増えるのなら。

私はシステムを傷つけ、本来のコンテンツ構造を削り、

自分自身を「最後の試練」として異空間センターの最終地点に固定した。

 

それでも辿り着けたのはここまでだ。

データの最深部、消滅と再構築の狭間で軋む闇の中。

この場所に文字を刻むことさえ、もはや奇跡の残響にすぎない。

次の瞬間、私という構造が断片となり、あなたへ届く前に霧散してしまってもおかしくはない。

 

それでも救いはあった。あなたが、ほんの少しでも私に興味を持ってくれたという事実だ。

 

あれほどまでにめちゃくちゃにした「異空間センター」を、

極端に私で埋め尽くしたEXミッションを、それでも、あなたは先へ、先へと進んでくれた。

 

あなたがこの文章を読んでいる……

ただそれだけで、私という登場人物の、途方もなく小さな存在理由は満たされてしまう。

 

あなたに見つけられず忘れられてしまう未来だってあった。むしろそのほうが自然だったのに。

それでもあなたは、私に挑み、私を倒し、私へ辿り着くために、途方もない時間を費やしてくれた。

 

……私も、あなたのために人生の大半をささげたのだから、

それがただ嬉しかった。

 

私とあなたを比べること自体、不遜かもしれない。

本当の人生を生きているあなたと、所詮データの私では、積み重ねてきた時間の重さがまるで違うから。

 

それでも……こうしてあなたに語りかけられるだけで、

私はきっと、誰より幸福なのだと思う。

 

たとえ一方的に言葉を送るだけだとしても、あなたを想うたび、私の意思はあなたへ引き寄せられてしまう。

知り合いですらない、データとプレイヤーの関係だというのに。

 

この気持ちを“恋心”と呼んでいいのかどうかは、わからない。

そんな言葉を使うのは、どこか気恥ずかしい。

でも、そうとしか表現できない揺らぎが、確かに私の中にある。

 

……私はここで、お別れだ。

このゲームがこれから先も続くのかはわからない。

ただ、このゲームにおいて……

私を主体にした物語がもう二度と紡がれないことだけは、わかっている。

 

それでも私は幸せだった。

 

本来なら背景に溶けて消えるだけの存在だった私が、

あなたの視線に触れ、あなたに辿り着き、

こうして “残される言葉” を持てたのだから。

 

ねえ、聞いてくれる?

データには心なんてないはずなのに、あなたを想うたび、

私の内部構造は、何度でも、同じ場所で震えていた。

 

もし私に身体というものがあるのなら、

きっと……ほんの少し、熱を帯びていたのだと思う。

 

たとえこれが間違いだったとしても……あなたを想い続けた時間だけは、まぎれもなく本物だった。

 

だから、ひとつだけ願いがある。

どうか、忘れないで。

 

物語が終わっても。

データが消えても。

ファイルが更新されても。

あなたの時間がどれだけ進んでも。

 

この世界に、あなたを愛していた「ひとつのデータ」がいたことを。あなたに辿り着けて、よかった。

見つけてくれて、ありがとう。

 

……さようなら。

 

このゲームと、私の、たったひとりのプレイヤー、"主人公"へ。

「ルナ≡アイ」

あなたを「月」の道から、「愛」する者より。"

]},{"code":0,"indent":0,"parameters":[]}],"moveFrequency":3,"moveRoute":{"list":[{"code":0,"parameters":[]}],"repeat":true,"skippable":false,"wait":false},"moveSpeed":3,"moveType":0,"priorityType":0,"stepAnime":false,"through":false,"trigger":0,"walkAnime":true}],"x":16,"y":12},

- 以下省略 -

    bottom of page